夫婦2台で岐阜県ツーリング
- 目指せ巌立峡!夫婦ツーリング 名古屋発、裏木曽街道から下呂へ
- ひめしゃがの湯、巌立峡、小坂の滝巡り ツーリング←今ココ
- まだまだツーリングは続く!美女高原、荘川、ひるがの高原、やまびこロード
下呂を越えて、国道41号を北上する夫婦二台のバイク。岐阜県ツーリングはいよいよ本日のメインである、巌立峡へと近づいていた。
41号から降りる形で県道437号へ。看板の表示だと、濁河(にごりご)温泉の方面へと進む。このへんは下呂温泉だったり、濁河温泉だったり、これから向かおうとしているひめしゃがの湯だったり、温泉の産地だな。御嶽山の影響かな?
県道437号を東へ向かうと、小坂の滝めぐりの看板がところどころでてくる。ほほう、滝があるのか。マイナスイオン補給に行ってみるのもいいな。バイク二台で走っている道は、ゆったりとした田舎道。のんびりとした空気が気持ちいい。道の駅小坂はなももを通過。ここは川沿いにある道の駅。特に何があるってわけではないけど、のんびりゆっくりした道の駅だった記憶がある。
すぐにひめしゃがの湯に到着。
俺「おー。ここかー。」
妻「駐車場は左だよー。」
この間一人でここに来たと言う妻が、後ろから案内してくれる。このへんは、川釣りをする人もくるところらしい。釣りの人は、奥側の駐車場に止めるよう案内が出ている。我々は当然温泉目的なので、手前の駐車場にバイクを停める。黒いCBRも1台停まっていた。駐車場から温泉の建物へと歩いて向かう。
妻「飲める鉱泉だってー。飲んでみようよー。」
俺「えー、おれこういうのちょっと苦手だなー。」
妻「ゴクゴク、おー。しゅわっとする。」
俺「じゃあ一口だけ…、うわ、鉄の味がする」
ひめしゃがの湯は鉱泉。鉄分含むいろんな成分が含まれている湧水で、風呂にして浸かってよし、飲んでよし、料理に使ってよしと言うものらしい。お粥とかも食べられるみたいだけど、鉄味のお粥なんだろうか。美味しくなさそう。貧血の時にはいいかもしれない。
妻「ここは加温していない源泉がいいよー」
俺「へーそうなんだ。冷たいんだよね?」
水風呂みたいなもんかな。
では、男湯へ。結構お客さんは多いみたいだ。ちょうど風呂上がりのおっさんグループの中で、唯一のひめしゃが経験者っぽい先輩おっさんが、鉱泉の講釈をしている。
おっさん「色がついとったでしょ?あれが鉱泉の証なんだわ!どえりゃー濃い鉱泉だで、あんなんなるんだわ。」
ほほう、そうなのか。
おっさん「この先に滝があるんだわ。前来た時は滝めぐりが目的だったで歩いて行ったけども、まーだいぶ歩くで今日はあかんわ。」
ほほう、そうなのか。
コテっコテの名古屋弁だがや。
早速入浴。
本当に色がついている。なになに、出てくるお湯は透明だが、空気に触れると色がつくそうな。いわゆる、化学的には酸化してるってことだな。つまり、サビか。
そう考えるとサビの湯みたいで、嫌だな。
そんで、こっちが源泉そのまま、つまり加温もしていないところね。あ、冷たい!夏は気持ちいいかもね。…よくよく見ると、隣はサウナ。ってことは、体冷ましの水風呂として使われてるみたい。贅沢な水風呂だ。
外には露天風呂。
片方は色がついてて、片方は透明だから、あっちは源泉なんだな。源泉の方はおっさんたちが占領しているので、自分は透明な方へ。こっちでも十分に気持ちいい。
気持ちいいけど、1人でゆっくりしてるとなんだかいろんな事考えちゃうなー。仕事のこととか、会社のこととか、上司のこととか、部下のこととか…。あー。病んでるな。
ここの効能に「会社のストレス」とかあればいいのに。
早めに上がって、休憩室でひとやすみ。広々と独り占め。しばらくすると妻も上がってきた。
妻「はー気持ちよかったー。」
俺「おう、良かったね!」
妻「源泉入った?」
俺「うん、ちょっとだけね。」
妻「あの冷たいのが気持ちいいんだよねー。」
妻は、おれがサウナ横の水風呂が苦手ということを知らない。サウナで汗だくのまま、かけ湯もしないで水風呂に飛び込むやつもいるんだぜ。なんか、あんまりきれいには思えない…。
俺「ところで、風呂でおっさんが滝の話をしてたんだけど、この近くに滝があるの?」
妻「うん、巌立峡の奥にあるみたいだよ。巌立峡のあとで行ってみる?」
俺「うん、行けそうだったら行ってみようか。」
というわけで、ひめしゃがの湯を後にして、今度は巌立峡へ。時間にして5分くらい。あっという間に、とんでもない岩壁が目の前に現れてきた。
俺「すっげーーーー!!!」
妻「ねー!すごいでしょー!写真撮ろうとしてもおさまらないんだよね。」
すごいすごい!でっかいよ!
なにをやったらこんな岩壁ができあがるんだ。確かに、写真におさめようとすると広角目一杯のカメラでもかなり後ろまで下がらないといけない。駐車場の端まで歩く感じだ。自然の神秘だね。あとで調べたところによると、御嶽山が噴火して流れて来た溶岩が固まって、こんな感じになったらしい。
巌立に背を向けて歩いていると、上の方の坂道を、バイクが降りてきた。BMWのGSっぽいな。あんなところにも道があるんだな。
端まで歩いてようやく、写真に収められる。

その位置には、大きな地図看板があった。
俺「へー!下は遊歩道になってるんだね。あ、これを歩いてくと滝まで行けるんだ。」
妻「バイクでも行けるんじゃないかな。こっちに道があるよ。」
俺「あ、ほんとだ。駐車場もあるね。」
と、そこへ、一人のおじさんが近づいてきて、同様に地図看板を見始めた。
俺「もしかして、さっきバイクで降りてきた方ですか?」
おじさん「え…。あ、はい。そうですよ。」
俺「この道、どこまで行けるんですか?」
おじさん「あー…、行こうと思えば、上の駐車場まで行けますよ。私もね、その先の滝まで行こうかと思ってたんですけど、駐車場からだいぶ距離があるようですし、道も山道ですし、足元もこんなんですからね。」
妻「あー、ライディングブーツ…。」
おじさん「道路も、ガードレールなんてないですよ。行けなくはないですけど、大きい車だとしんどいでしょうね。あ、あなたがたもバイク?バイクなら大丈夫ですよ!」
俺「ほんとですか!じゃあとりあえず、真ん中の駐車場まで行ってみます!ありがとうございます!」
俺「よかったよかった。いい話が聞けたね。それじゃ、真ん中の駐車場まで行ってみよっか!」
妻「おっけー!」
そう言って、バイクの元へ。CB1300STとVTRにそれぞれ乗り込み、一度巌立を離れてさらに奥へと進む。さっきのおじさんが降りてきた坂道を登っていく。道幅は、車1台分と狭いけど、バイクなら全然気にならない。その後道路は巌立とは反対側に曲がっていく。しばらく進むと、遊歩道と川が車道と並走するように見えてきた。車道の方が、2mくらい高い位置を通っている。
ちょうどそのあたりから、道路に砂利が混じり始めた。
俺「この先工事中って書いてあるよ。ちょっと砂利っぽい感じ。」
インカム越しに、10mくらい後ろから付いてくる妻に声をかける。
妻「ほんとだねー、砂利イヤだなー。」
まぁ工事区間が終われば大丈夫だろう。…と、思っていた。
俺「え、まじ?完全に砂利じゃん!ダートじゃん!」
妻「えーウソー。引き返す?」
俺「いや、この坂道でこの道幅だと下手にUターンできないよ。このままもうちょっと行って、広くて平らなところがあったら引き返そう。」
妻「うー。わかったー…。」
…広くて平らなところがあったら、ね。
道を進めば進むほど、ダート感が増していく。
妻「あのおじさん、バイクなら行けるって言ってたじゃん!」
俺「あのおじさんにとって、バイクってのはGSのことを言うんだよ…。」
GSなら、砂利だろうが、ちょっとした小川だろうが、砂漠だろうが走りそうな気がする。もしかすると瀬戸内海くらいだったら海上を渡っていけるかもしれない。
妻「ひゃー!きついー!しんどいー!!」
妻の悲鳴が聞こえるが、自分もCBの運転で精一杯。砂利はあるわ、倒木はあるわ、根っこは出てくるわ。ロードバイクで走る道じゃないね。こんな感じ。

俺「あ!駐車場見えてきたよ!」
10分ほどダート道を走っただろうか。駐車場と思われるスペースが見えてきた。駐車場と言っても、ちょっと広くなってるくらいで、車3台は置けなさそうなスペースだ。しかも傾斜もある。当然砂利だ。なんとか、バイクを2台、並べて停めた。
妻「ひどい道だったねー…。」
俺「うん…、オフ車がいるね…。」
その駐車場から、50mほど歩けば滝があるらしい。飲み物を飲んで一休みしてから、階段を降りていく。
妻「うわー!すごいよー!!」
先を歩いていた妻から、今度は歓声が聞こえる。
俺「おおお!すげー!!」
階段を降りると、水がエメラルドグリーンに色づいている。妻は小さな橋を渡って、左側から回り込んでいる。
俺は橋を無視して、不安定な岩を渡りながら右側から近づく。
きれいだ。

妻「ねーねー!こっちから見ると×××××××」
水の音が大きくて何を言っているか聞こえない。でも、表情を見る限り、あっちにも面白いものがあるようだ。そこまで来た道を引き返し、橋を渡って妻のいるところへ。一度、滑って転びそうになったけど、なんとか耐えた。
おおお!滝だ!!
さっきまで自分がいた側からは見えなかったけど、岩の壁に挟まれるようにして奥の方で、5mくらいの高さから滝が流れているのが見える!大きな水の音は、これだったんだ。

すっげー…。
しばらく、ぽかんと口を開けて、ただ突っ立って見ていた。
妻「は〜。マイナスイオン〜。この先にももう一個滝があるらしいよ!」
さっきまでヒーヒー言ってた妻が、元気を取り戻している。一度引き返して、小さな橋のあたりでもう片方に分かれる分岐を降りていく。おー、こっちの滝も見事だ。上から、滝が2段階に降りて来ている。

俺「いやー、すごいわ。今まで見て来た滝の中で1番2番がこの二つの滝に置き換わっちゃったよ。すごいすごい。頑張ってここまで来た甲斐があった。」
滝を堪能し、マイナスイオンと水煙を十分に浴びて、愛車の待つ階段の上の駐車場へ戻ることに。下りは良かったんだけど、上りはこの勾配が結構ハードだね。
息を切らしながら戻ったところで、まだ難関が残っていると思うとうんざりしてくる。
妻「はー。今度はあのダートを下りかー。」
俺「まー、ゆっくり行くしかないよね。あまり近くに詰めてこないでね。」
息が整うのを待って、対向車が来ないことを祈りつつ出発。砂利の下り道、こんなところでコケたら起こすのも大変だ。なんとか、地面を這わせるようにアクセルをコントロールしながらジワリジワリと降りてゆく。
…
妻が、静かだ。
俺「大丈夫ー?」
妻「…うん、はい。」
だいぶしんどそうだ。
下ってくると、工事中の看板が!
俺「おー!工事中の看板のところまで戻って来たよ!もうすぐだよ!」
妻「…あ、はい。大丈夫です。」
ようやく、舗装路が見えて来た。砂利、もういらない。
妻「は〜疲れた〜!もう、腕がパンパン!」
ようやく安定したアスファルトの上、もとの巌立の駐車場に着いた。いやーひどかった。これは、地図にもダートとか砂利道とか、オンロードバイクではキツイとか、書いておいてほしいな。
ここまでのツーリングルートはこんな感じ
夫婦2台で岐阜県ツーリング
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